写真の鳥海山、やはり雪化粧した姿が最もきれいかなと思っています。個人的にどう思うかはさておき、由利本荘市民だけでなく山を取り囲む地域に住んでいる県民を和ませてくれる雄大な山であることには間違いありません。
この大切な鳥海山麓の自然、そのまま後世に残したい、いや残さなければならないと強く思っているのですが、ご存じの通り、この麓に巨大な人口の建造物を造り、大切な自然を破壊しようというとんでもない計画が着々と進められております。
そうです悪名高き鳥海ダムの建設です。こんな建造物を造って鳥海山麓の美しい自然を壊すなんて、いったいどんなへんちくりんな頭があれば実行することができるのか私にはとても理解できないことであります。
秋田県民の約14%が公共事業に依存して生計を立てているということで、公共事業は削れない、しかも1000億円近い事業だから放棄したくない、というのはなんとなく分からないでもないのですが、なにも公共事業が必要なだけで、失っては絶対に公開する大切な自然をハチャメチャに破壊することはありません。お金が欲しければ、自然を破壊しない別な事業を展開すればいいじゃあないですか。
先日コメント欄の所で鳥海ダムの建設促進に関する著名運動の話がありましたが、私の所にも同じ書名の紙が、町民を脅かすように配布されてきました。鳥海山の自然を相知る私は、当然のことながら、署名どころか、建設反対と大きく書いて送り返してやしましたが、「鳥海ダムの建設を促進する市民の会」という自然破壊を推進する悪の組織がこの由利本荘市に存在していること自身私は腹立たしくてなりません。
この悪の組織の会長さんは確か旧本荘市の市議会議員だった方だと思うのですが、この方、世に言う建設族の方であります。建設族は公共事業大好き人間であります。なので、お金のためなら大切なかけがえのない自然が壊れようがどうしようが何も感じないのでしょう。
その昔、この方は、野山の自然保全に関するシンポジウムを開いていたはずなのですが、このような活動とダムの建設は真っ向から反対に位置するものです。
まあ、自然の保全のためという名目の公共事業が欲しいので、このようなシンポジウムを開催したのかなとも取れる行動ですよね。
さて、ダムを建設する理由、これがまたデタラメばかりで困ったものであります。子吉川の氾濫を防ぐとありますが、同じような理由でダムが建設された河川は全国にいっぱいあるのですが、その後も大雨が降ると河川は氾濫しています。
上流域だけを止めたところで、河川の増水はダムより下の支流からの流水の方が影響力大なので、ダムで氾濫を食い止めることはできません。そもそもダムが満水時に大雨が降れば全く機能しなということは無視して説明をしていますよね。
子吉川の場合は芋川の合流の影響が最も大きいというのは分かっている話のはずです。
水不足に備えるとありますが、ダム建設が最初に考えられてから気の遠くなるような歳月が流れていますが、その間に幾度となく大渇水で由利本荘市民が大きな打撃を受けたということもありません。むしろ、鳥海山麓の森林が自然の保水ダムとして機能していたからではないのでしょうか?
それに加え人口は計画当初より大幅に減っていて、稲作量も減少、水を大量に使う大規模な工業団地も存在しません。これもまたまやかしの理由です。
異常気象が頻発しているのでそれに備えるという考えがあるかもしれませんが、現存している溜池を整備し直すことを考えるのが適切かと思います。
何も必要以上の巨大な大きさをもつ人造湖を大事な大事な自然破壊してまでも造り出す必要は全くないはずなのです。
水力発電により町にお金をもたらすとありますが、ダム建設の膨大なコストの回収と取り返しのつかない広域な鳥海山麓の自然破壊の代償を考えると、発電で設けたいのであれば他の発電を考えた方がよほど賢明であります。
何れにせよ、ダムそのものが無くて由利本荘市民の生活が脅かさせているとはとても思えないのですが、巨額な公共事業欲しさに無理矢理に理由が並べられているだけであります。
今年度、本格的な環境アセスメントの予算が付いて建設の話が具体的に動き始めたと聞いています。どう考えても大切な森林人造湖に沈めることは環境破壊であり、生態系を乱すはずなのですが、現時点でも鳥海の自然に与える影響は殆どないと思うとウソをついているので、結果はどう転んでも建設OKとなるに違いありません。
中央の役人に躍らされているのもあるのでしょうが、国の無責任な政策のため、八郎潟の干拓で貴重な八郎湖の自然が失われたようなことを繰り返してはなりません。
このとても美しい世界に誇れる鳥海山麓の自然、お金欲しさの巨大な建造物で壊したくないのですが何とかならないものですかね!?
ダムのことを考えると、鳥海山の悲鳴が聞こえてきそうです。「やめてくれ~、私の足元をめちゃくちゃに破壊するのは!!」ってね。
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